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紺碧の将

はびこる、偽装広告

2023.10.28

 衛星放送、インターネット、電車の広告などに「第1位」「業界ナンバーワン」「人気度1位」「◯冠達成」「満足度第1位」などといった文言が目立つようになってひさしい。

 ほんとうにそうなのだろうか、と疑念を抱いたことはないだろうか。

 少し前まで電車の車内広告といえばエステ業界が多かったが、最近は美容整形業界とハウツーものの書籍が多い。本の広告に「◯万部突破」とか「アマゾン第1位」などと書いてあるのに、書店ではほとんど見ない。そもそも車内広告を掲出するには、ポスターの制作費も含め1週間で1,000万円近いコストがかかる。それで実際に収支が合うのだろうかと思うが、どうやら「合う」らしい。つまり自分で書いた本(大半は聞き書きだが)がさまざまな勲章とともに多くの人の目にさらされるという満足度をもって帳尻が合うのである。場合によってはそれが絶大な宣伝効果を上げることもあるだろう。

 なるほど著者を見ると、医師や成功した起業家などが多い。

 では、なぜこれほど世の中に「第1位」があるのか。それは意図的につくるからである。それを専門している調査会社もある。

 手法は、

・1位になるまで項目や選択肢を変えて調査を繰り返す

・1位になった瞬間に調査を終える

・回答欄から有力なライバル企業を省く

 などがあるという。

 いずれもまっとうなやり方ではない。騙しと言っていい。この方法であれば「アマゾン第1位」も簡単につくれる。サクラを使って同時に大量発注し、ある時点で1位になればいいのだから。

 食べログやぐるなびの評価も似たりよったりだと思った方がいい。

 これからますますこの手の広告、売り方がはびこるだろう。いずれにしてもわが身は自分で守る以外にない。

(2201028 第1196回)

 

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