悪い店の見抜き方
あまり馴染みのないエリアで飲むとき、どこに行こうかと迷うことがある。うまくいくこともあれば、失敗することもある。
あらためて、思う。手っ取り早く情報を集めようとすると失敗すると。
例えば「ぐるなび」や「食べログ」や「ホットペッパーグルメ」などの特集記事から探そうとする。たくさんの店がずらりと並んでいるから、なんとなく選び放題の感じがする。ところが、どんなにたくさん並んでいようが、大半が「どうしようもないほどひどい」店である。上位にあるのはたいていそれなりの対価を払っているのだろうが、「そこまでしないと客が来ない」店だと解釈した方がいい。
それに写真があてにならない。奥の事務所をちょっとだけ改装して衝立で狭い「個室」を急造したようなケースでも、それなりの風景になってしまう。料理は言わずもがな。いくらでも偽装できる。
最近はメニューがなく、QRコードからオーダーする店が多いが、なかには写真がなく、「鶏の唐揚げ 880円」などと文字だけのところもある。いったいどれくらいのボリュームか、何個くらいあるのか、特長は? と思い、店員に聞いても要領を得ない。従業員教育に力を入れていないか、すぐに辞めてしまうから客の質問に答えられないのだ。
あげく支払うとき、どこにも表示されていない「サービス料」を加算されることもある。
客引きをやっている店は「絶対に!」悪い店だと断言する。なぜならば、そうしないと客が来ないのだから。リピーターはほぼいないし、そもそも固定ファンを育てようという発想がない。
基本的に馴染みのないエリアでの店選びは、「歩きながら自分の目で見て」か「信用できる人からの紹介」に尽きる。つまり、楽をしようとしてネットで調べるとしっぺ返しを食うということ。繰り返すが、宣伝しなくても客が来る店は、けっしてグルメサイトの特集記事には掲載しない。
今回はみみっちい話題になってしまったが、あらゆることに通ずる真理でもある。あえて書いてみた。
(240113 第1206回)
本サイトの髙久の連載記事