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紺碧の将

美しいものと醜悪なもの

2024.04.20

 皇居東御苑内に新築された皇居三の丸尚蔵館で、収蔵品展を4期に分けて開催している。皇室が保有している美術品を、広く国民に鑑賞してもらおうという試み。

 目が洗われるとはこういうことをいうのだろう。どれもが高貴で気品がある。その場にいるだけで、日常生活で身についた塵や芥を落としてくれるかのようだ。しかも、大半の作品は撮影可。国も粋なことをやるものだ。

 

 日常生活で身についた塵や芥、と書いたが、年々その汚らしさが増している。街を歩いても、電車に乗っても、(NHK以外の)衛星放送を見ても、醜悪な広告が「これでもか!」と溢れている。私の生業は広告の企画・制作だが、創業当時の華やかな広告文化はほぼ姿を消し、代わって短期的な実利だけを求める殺伐とした広告が巷に溢れることとなった。

 特にネット空間はその最たるもの。

 先日、自社のサイト(このブログを含む)を開いたら、至るところに醜悪な広告が溢れていた。トップの画像や記事を寸断し、私のプロフィールのなかにもいきなり広告がある。自分のプロフィールの横に、大きく「糖尿病云々〜」という広告を見たときは、気分が悪くなった。おそらくサプリメントか本の広告だろう。

 その後、広告を記事に差し込むという機能をオフにして元に戻ったが、私だけではどうにもならない。

 グーグルは年々、えげつなくなっている。先日、60人くらいの医師が集団でグーグルを提訴したが、いまのままではライバルを貶め、自分が優位になるよう計らうのは簡単なこと。

 問題は、そういうものを見ているうちに「慣れて」しまうこと。そうならないためにも、本物の美に触れる機会をつくりたいものだ。

 

屏風の向こうに女人が透けて見える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古歌が書かれた金地の屏風

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤原定家の更級日記写本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箏に施された螺鈿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学院焼ふくべ形香炉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記の作品の蓋をかぶせた状態

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾長鶏・小葵蒔絵鉄刀木小箪笥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(240420 第1219回)

 

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