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紺碧の将

歴史の証人、熊本城

2024.05.27

 数年ぶりに火の国・熊本へ行った。前回は震災の爪痕があちこちに残っていたこともあって観光名所には行かなかったが、今回は天守閣が再建なった熊本城へ行った。

 完全に復旧工事が終わるまであと数十年かかるらしいが、天下の名城の威容はほぼ復元されたといっていい。

 熊本城といえば、明治10年の西南戦争において、谷干城率いる政府軍が2ヶ月近く薩摩軍の猛攻を食い止めた堅牢な城として知られる。

 なぜあのとき西郷は熊本城攻略にこだわったのか? いまでも疑問が残るが、私はそこに西郷の真意を汲み取っている。

 彼は部下たちの暴発に担がれた形となってやむなく政府軍と戦ったが、はじめから自分の死に場所として決めていたのではないか。西郷は明治政府に参画することを拒み、鹿児島に下野したが、もう武士の世ではないと理解していたはずだ。だからラスト・サムライとして部下たちを道連れに死のうとしたにちがいない。

 それにしても、大砲などの攻撃に耐え、よくぞ2ヶ月近くも籠城したものだ。さすがは築城の名手・加藤清正の城である。

 復旧なった天守閣は展示内容が素晴らしいのひとこと。相当歴史に詳しいクリエイティブ・ディレクターによるものだろう。残念ながら飛行機の時間が迫っていて、気が済むまで堪能したわけではないが、再び熊本を訪れる機会があれば、時間をたっぷりとってじっくり見てみたい。

 もうひとつ驚いたのは、熊本市街の様子。人口73万人の街とは思えないほど活気に満ち溢れていた。関東の同クラスの自治体と比べても、その賑わいぶりは突出している。

 

明治初期の熊本城

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長塀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天守閣と石垣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ震災の爪痕が残る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加藤清正像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(240526 第1224回)

 

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