左手に論語、右手に算盤
前回、飛鳥山公園(旧渋沢庭園)へ行ったことを書いたが、主な目的は渋沢史料館であった。
渋沢栄一について詳しい説明は不要だろう。若い頃は過激な尊王攘夷派で、実際に幕府の要人を暗殺しようと企てたこともある。その後、パリ万博へ随行して西洋文明を見聞し、日本には民間の会社が必要との認識に至った。やがて「左手に論語、右手に算盤」という言葉に象徴される道徳と経済の両輪を旨とする独自の経営論で次々と会社を興し、軌道になるや他の人に経営を譲り、新たな会社を設立した。そのようにして設立した会社は500を越え、いずれも近代日本の背骨となっていった。
そんな渋沢の生涯をクロニクル的に総攬できるのが「渋沢史料館」である。
偉人の功績に触れることは自分の世界観を広げることにもなるし、後世の人間が偉大な先達を顕彰することは大切なことだ。
ぜひ、足を運んでほしい。
渋沢史料館の外観
展示室の休憩コーナーから外を垣間見る
渋沢栄一の傘寿(80歳)と子爵に叙せられた祝いに、竜門社(現公益財団法人渋沢栄一記念財団)が贈った西洋風の蔵書館「青淵文庫」(せいえんぶんこ)。国指定重要文化財
階段の美しいこと!
渋沢栄一の喜寿(77歳)の祝いに、清水組(現清水建設)が贈った西洋風茶屋「晩香盧」(ばんこうろ)。国指定重要文化財
晩香盧の室内
(241102 第1244回)
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