言葉の贈り物
「最近、海ちゃんが登場していませんね。我が家では娘たちも海ちゃんのファンなんですよ」と、嬉しい(?)リクエストをもらった。聞きながら、顔がにやけていたと思う。
海を登場させるときの理由を明かそう。ちょっと言いにくいこと、どうしても過激な発言をしたいというときに、“ そうだ、猫に言わせてしまおう”、ということなのだ(そんなこと、とうにお見通しだよ、という声が聞こえてきそうだが)。
しかし、今回はちがう。“それほどまでに海の登場を望んでいただけるのであれば、出し惜しみせず、お見せしましょう” という親切心からなのである。
さておき、前々回、増田明美さんのことについて書いたが、その人生相談で増田さんはどのような回答をされたのですかという質問もあったので、今回はそれをテーマにしてみたい。
質問の主は、高校3年生の女子。一緒にアルバイトで働いていた仲間たちが自分をはずしてボウリングに行ったことで疎外感を感じ、「できるだけ多くの友人が欲しい」と思って周りに合わせてふざけてみることもあるという。でも、そんな自分の性格や容姿が嫌いになることもある、と。
そして、最後にこう結んでいる。「これから先、どのように人と接するべきですか。何が大切で、何を見つめ直すべきですか」。蛇足ながら、このような疑問をもったこと自体、この子はとても優秀だと思う。
この質問に対して、増田さんが書かれた回答を全文、紹介したい。
あなたは自分の世代を客観的に分析していますね。論理的な相談文を読みながら、「つながる」の意味について考えさせられました。今は携帯電話やパソコンのお陰で、誰とでも簡単につながることが出来ます。しかし、つながっていないと不安になるのは、孤独も楽しめる “個” の力が弱まっているからなのでしょうね。
メールをやり取りし、たまに遊ぶ何気ない友人をたくさん持つよりも、「確かなつながり」を感じられる友を持つほうが大事です。悲しみや喜びを自分のことのように分かち合える親友を。そのためには群れないことです。ボウリングへ誘われなかったのは、あなたの中に既に群れない素養があるからではないでしょうか。他のアルバイト仲間はそれを感じ取っていたのかもしれませんね。
孤独を怖がってはいけません。怖がらないためには自分に自信を持つことが大切です。今のうちから本をたくさん読みましょう。心が骨太になりますよ。また、目の前のことに一生懸命打ち込んでください。自分という軸をしっかり持ったあなたが親友を引き寄せます。
(120902 第364回 写真は世界的名猫・海)