高崎から軽井沢へ
関東圏のなかで、群馬県にはあまり馴染みがなかった。いままでに行ったところは谷川岳と赤城山への登山、尾瀬、富岡製糸場くらいか。これではいかんと(なにがいけないのか根拠はないが)、高崎を訪れた。
まず目についたのが芸術の催し物が多いということ。近年完成したという高崎芸術劇場は高崎駅東口から大通りの中央分離帯上に敷設されている遊歩道を歩いて数分のところにある。目を見張るばかりの立派な建物だ。しかも催し物がいい。佐渡裕+反田恭平(モーツァルトとマーラー)、コバケン+群響のベートーヴェン全曲演奏会、ミュージカル『レ・ミゼラブル』、郷土の出演者による歌劇『椿姫』、インディーズの映画祭など、興味深い催しがずらりと並ぶ。駅の東西両側に美術館もある。芸術での街興しに力を入れていることは一目瞭然だった。
その後、レンタカーを駆って郊外に出て、高崎市染料植物園、楽山園(甘楽町)を経て、軽井沢まで足を伸ばした。
いろいろな地方を訪れて気がつくことは、どの地域も観光資源の掘り起こしに熱心だということ。人口減少が加速し、産業が衰退するなか、外国人観光客の誘客に意識を向けるのはいいことだ。
高崎市染料植物園の風景。まだ寂しいが、もうすぐ若葉が萌えてくるはず
植物園のなかにある植物には染料マメ知識が掲げられている。いにしえの人たちは植物の葉などからさまざまな染料を採取してきた。資料館では染色のイロハがわかる
園内にある「ひびき橋」へ至る道
織田信雄がつくった回遊式庭園「楽山園」。「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」という『論語』の一節から命名されている
軽井沢ニューアートミュージアムの外観。現在は隈研吾展と篠田桃紅展が開催されている
道路から見た「鬼押出し」の一部。浅間山の噴火によってできた一大火山岩地帯
冠雪した浅間山の勇姿
(250329 第1265回)
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