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紺碧の将

アルフィスタと呼ぶべきかアル中と呼ぶべきか

2007.09.05

 熱狂的なアルファロメオのファンをアルフィスタという。フェラーリやポルシェやBMWの愛好者を呼ぶ特定の言葉があるのかどうかわからないが(たぶん、ないと思う)、アルファロメオには歴然とある。そこがアルファロメオらしいと思う。独自の価値体系があり、アルフィスタにとって他のクルマはいくら高額だろうが憧れの対象ではないのだ。超高級車のフェラーリにもマセラティにもメルセデスにも、まったく食指をそそられない人種、それがアルフィスタだと言っていい。

 かくいう私もアルフィスタの一人。

 なんといってもアルファロメオの魅力は、カッコイイことだ。しかも、それが非現実的でも成金趣味でも無機的でもない。それらの条件を満たしていながら、あれほど美しいのは、まさに現代工業デザインの奇跡だとさえ思っている。もちろん、それをなしえる民族はこの地球上にイタリア人しかいない。どうして、あれほどいいかげんな民族がこういうことをなしえるのか、私はいまもって不思議でならないのだ。

 近年、アルファロメオの名車と言えば、アルファ156だろう。約10年前にデビューして以来、アルファロメオらしからぬセールスを記録した。ワルター・デ・シルバのデザインは今もまったく古さを感じさせない。私の愛車もそれだった。ボディカラーはもちろん赤。2000年に購入し、11万キロ近くほとんどトラブルもなく走っている。『fooga』の歴史は156とオーバーラップしていると言ってもいい。

 ところがである。昨年の10月、ショールームで新型スパイダーを見てしまったのがいけなかった。

「かっこ良すぎる───────ッ!!!!!!」

 あの時のアドレナリンの急沸騰は、まさに瞬間湯沸かし器。ここまで感動したら、四の五の言わず、買わせていただく以外にいたしかたあるまい、とさっそく注文書に判を押した。

 しかし、さすがはイタリア人。新車なのに、納車は半年先だという。156があるのでべつだん慌てる必要はなかったが、これじゃ世界的なシェア争いには勝てないだろうなとあらためて納得した次第である。

 今かいまかと待ちわびたスパイダーがやってきたのは、なんと創立20周年記念日の前日。20年間も会社を潰さずに頑張ったな、と神サマからのご褒美にも思えた。

 この時代、2人乗り・左ハンドル・マニュアルシフトの車に乗る人はめったにいないらしく、いまだ路上で新型スパイダーとすれちがったことは一度もない。

 いずれにしても、これからの私の歴史を彩る車、それがスパイダーであるのはまちがいない。うん。

「どうです、これいいでしょう?」※つい北原さんの真似をしてしまった。

(070905 第8回 写真はアルファ・スパイダーの内装。ボルドーレッドのレザーシートが眩しい )

 

 

 

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