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紺碧の将

自然再生エネルギーは環境にやさしいか?

2014.01.31

スズカケ3兄弟 もうすぐ都知事選だが、細川さんがノコノコ出てきて妙な具合になっている。原発を争点にするというのだ。焼き物や絵描きや書は飽きてしまったのだろうか。一度権力を握った人は、その時の快感が忘れられないというが、細川さんもそのテツか。だとすれば、芸術に対しても政治に対しても失礼ではないのかな。

 エネルギー問題が言及される際、必ずと言っていいほど、自然再生エネルギーのことが語られる。そして、私はそのたびになんとも表現できない不快感を味わう。原発に替わる自然再生エネルギーは環境にいいという前提で話している人が多いからだ。

 果たしてそうだろうか。

 私の意見は、「原発もひどいが自然再生エネルギーも同じようにひどい」である。原発は事故が起きたら短時間で甚大な悪影響を及ぼすが、自然再生エネルギーはジワジワと地球環境を破壊していくという違いがあるだけではないだろうか。

 以前、森を切り開き、太陽光パネルが並んでいる光景を見たことがあるが、ゾーッとした。あの広大なパネルに覆われた土地は太陽の光を受けず、やがて生態系はメチャメチャに破壊され、「死の土地」になるだろう。水力発電もそうだ。水という自然の恵みを利用するのはいいとして、森の中に大きなダムを造ることでどれほど自然環境を破壊しているかわからないはずがない。風力発電もそうだ。あんな異様なものを海岸線に並べ、超低周波を発しながらプロペラを回すことが果たして自然にいいことなのだろうか。他の地熱や波を利用するプロジェクトも、環境を破壊しながらエネルギーを得るという点では大同小異だ。かといって、今のまま、化石燃料を年間4兆円も燃やし、次世代に借金のツケを残しながら膨大な二酸化炭素を吐き出しているのも愚の骨頂だ。

 「では、どうしろというのか!」と憤慨する人もいるにちがいない。

 正直なところ、「どうしようもない」のだ。それくらい、地球の人口は増え、贅沢を覚えてしまった。それなのに、その現実を見ようとせず、自然再生エネルギーで今まで通りの生活を維持しようというのは自然に対する冒涜ではないか。

 だから、私は政治家が原発を争点にするのであれば、それとセットで「どう、生き方を変えるか」ということを提示してもらいたい。例えば、使用エネルギーを減らすため、自動販売機はすべて撤去するとか飲食店もコンビニも夜10時までにするとか、終電を11時にするとか、電力消費税を新たに設けるとか……。どれも嫌なことだが、何かを受け容れずに(つまり、今のままエネルギーを消費し続け)代替エネルギーを開発するなど、傲慢も甚だしい。ヨーロッパの都市へ行けば、夜は暗い。それが当たり前の姿だ。もちろん、エネルギーを減らすということは、経済的にはマイナスになるので、その影響も受容しなければならない。

 原発に替わる自然再生エネルギーなど、自然に反するものばかりだし、自分たちの生活スタイルを変えないで「夢のエネルギー」を開発しようという考えこそ、人間のエゴだと認識すべきだ。

(140131 第483回 写真は本文と関係ないのが、新宿御苑のスズカケ3兄弟)

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