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紺碧の将

季節に合わせてやってくる『Japanist』

2015.04.19

No.25 表紙&表4 年々、生活のリズムができてきた。それによって、能率がすこぶる上がった感じがする。やはり、不規則はダメだと痛感。仕事においても健康においても。

 毎日のリズムとは別に、一週間のリズム、一ヶ月のリズムもある。そして、四季ごとのリズムもある。
 四季ごとのリズムのひとつが、『Japanist』の発行だ。
 もうすぐ、第26号が仕上がる。今ではずいぶん手慣れたもので、編集や制作の無駄がなくなってきた。つまり、その分、中身の充実に力を注ぐことができるようになった。
 今回の表紙は、ガラス作家・狩野智弘氏の作品。「ガラスのオブジェに、日本人の自然観を」というタイトルが示すように、彼もまた日本人ならではの創作スタイルを確立した。
 交通事故を転機としてガラス作家に転身。収入の道や身分の保証の代わりに自由を手に入れた狩野さんは、自分の道を歩む。たどり着いたのが、「自然にまかせる」という要素を取り入れた作風だった。自分で制御する部分と自然にまかせる部分。それが絶妙なバランスで保たれている。神人合作のひとつの形といっていい。
 巻頭対談のゲストは、作家の呉善花氏。韓国生まれだが、いまは韓国に入国拒否されているという方である(現在は日本国籍を取得)。
 呉さんの日本人論はじつに鋭く、ユニークだ。われわれ生粋の日本人が気づかなかったことをわかりやすく指摘してくれる。平板な日本礼賛ではない。徹底した反日教育を受けた人だから、今に到るまで紆余曲折はある。それが面白い。
 なるほど、間の文化とはそういうことだったのか! と膝を叩きたくなる好対談だ。
 今号はもうひとつ対談記事がある。以前、この小欄でも紹介した考古学研究者・大村幸弘氏と元松下政経塾塾頭の上甲晃氏の対談である。この対談については、以前の小欄を参照してほしい。
 「転換期のキーパーソン」は、ミドリムシを使った製品で俄然脚光を浴びるユーグレナの代表・出雲充氏。誰もが成功しなかったミドリムシの屋外大量培養に成功し、数年内にジェット機の燃料に使われるというのだから、夢の大きな物語だ。
 彼は若干35歳。考えていることも実行していることも、基本は利他。つまり、ここにも日本人性を発揮して成功している人がいるということ。ちなみに、ミドリムシとは虫ではなく、藻の一種だ。
 「じぶん創造物語」は、車いすに乗った実業家・大塚訓平さんをご紹介。事故によって下半身の自由を失った大塚さんだが、なんと彼はそうなってしまったことをまったく悔いていないという。なぜか?
 「旨い純米酒を求めて」は、おそらく究極の酒蔵かもしれない。神奈川県にある川西屋酒造店。宣言通り、全量純米酒を実現し、なおかつお燗に最適の熟成された酒づくりを徹底している。毎晩酒を飲む私は、この酒に出会って、ほぼ満願成就したといっていい。ずっと理想の酒を求めてきた甲斐があったとほくそえんでいる。いまでは、この酒蔵の酒をお燗して飲むのを毎夜の楽しみとしている。
 他にも骨太の記事がいろいろある。近藤隆雄氏の連載は、安倍首相の米国議会におけるスピーチを想定してのもの。理路整然とした入魂の草案である。わが国にはこんな知的武装をしたサムライがいたんだ! とあらためて感嘆する。在野のたくましさであろう。今月下旬に行われる安倍さんのスピーチに期待したい。
 興味のある方は、弊社サイトよりお申し込みください。(4月22日完成)
(150419 第553回)

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