経営のお手本と宮島・広島城
取材のため、広島を訪れた。一昨年の『Takenoko』、昨年の『Souji』に続く、第3弾ムックのためだ。今回は、同社(株式会社マルコシ)の50周年記念の節目に合わせて発行される。一人ひとりの取材時間は短いとはいえ、17人の方にお話を聞き、あらためて木原伸雄氏が積み上げてきた偉業に感銘を受けた。
社会(地域)に根ざす、優良な顧客を持続的に得る、社員の質を上げていくなど、企業が好業績をあげながら継続していくために必要なことを徹底的に、かつ独自の方法で構築し続けている。経営のお手本といっていい。これを続けて、業績が悪くなるはずがない。そう言い切れるくらい経営の王道に徹している。
詳しくはここで書いてしまうわけにはいかないので、8月1日に発売されるムック(木原氏の発案により『Kizuna』と決定)をご覧いただくか、あるいは6月の多樂塾にご参加を(笑)。
広島は何度も訪れているのに、これまで宮島へ行ったことがなかった。
余談だが、私は子供の頃、切手を集めていた。切手図鑑を眺めては、少ない小遣いのなかから、次はどれをゲットしようかと思いを巡らしていた。だから、「日本三景」も脳にインプットされていた。松島、天橋立、そして宮島。宮島がどこにあるのかわからなかったが、すこぶる風景がいいところなんだろうと思っていた。
宮島口からフェリーに乗り、神々の棲む宮島へ。平清盛が造営した海上に浮かぶ社殿が目に飛び込んできた。その前に有名な鳥居が立っている。潮の満ち引きによって、風景が変わっていく様子が素晴らしい。地球は呼吸をしているのだということがわかる。
翌朝、広島城へ行った。天守閣その他、広島は原爆で一気に丸焼けになってしまった。だから、当時のまま現存している歴史的遺産はあまりない。しかし、一方、都市計画がきちんとなされ、じつに整然とした街になっている。街路樹の数は全国の都市のなかでも有数だろう。
広島城は、なんといってもお濠が広いことに驚かされる。毛利輝元、黒田如水、福島正則など名将が居城としてきただけに、堂々としている。城は人間と同じように、風格があるかどうかが重要だ。
では、風格はどのようにして醸し出されてくるのか。こればかりは、意図的に出せるものではない。たゆまず人物鍛錬を続けていく、これしかあるまい。
(150531 第559回 写真上は厳島神社、下は広島城)