座っている二宮金次郎って……
2016.05.09
「最近、二宮金次郎の像が復活しているらしいですよね」
だれに聞いたか忘れたが、そんな話を聞いた。
「へぇ〜、それはいいことですね」
そう答えた。私が通っていた小学校にも、二宮金次郎像があった。なぜ、子供が本を読みながら薪を背負っているのかわからなかったが、感心な子供だと思った。子供心にも……。
ところが、いつの間にか全国の学校からこの像が消えていった。背後に日教組の影響があったことは、容易に想像がつく。
「ところがですね。新しく造られた像は、本を読んでいる子供が座っているらしいんですよ」
その人はそう言葉を継いだ。
「へぇ〜。な、な、な、なんで?」
言葉が裏返った。
「どうやら児童虐待だと批判を浴びたらしくて……」
重たい荷物を背負わせて〝強制労働〟させるのは児童虐待ということらしい。
それを聞いて、笑ってしまうやら、嘆息をつくやら、どう反応していいかわからなかった。
そこまで意図を曲解させたいのなら、あえて二宮金次郎の像など造らず、キャラクターの人形でも飾っておけばいいんじゃないのかなあ。困った大人たちです。
(160509 第635回 写真は三島市にある報徳二宮神社の〝正しい〟二宮金次郎像)