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紺碧の将

詩を楽しむ宵 〜シェイクスピアを詠む

2016.10.13

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 クリッシーは詩人で、『日本を語ろう』の英訳にも力を貸していただいている。スティーヴはオペラカンパニーのディレクター兼作家でもある。
 知的興奮に溢れた宵だった。ふだん使わない脳の筋肉や感性を刺激することがこんなに心地いいのかとあらためて思った。
 ティラー夫妻が詠むシェイクスピアの耳に心地よいこと! やはり、英語をはじめ西欧の言語は耳に訴えることに主眼がおかれているということがわかった。音節の強弱、リズム、韻など、時にはうっとりするほどの快感を与えてくれるのだ。名演説が西欧に多いというのもうなづける。
 他方、わが日本語は主に書き言葉として伝えることに主眼をおいた言語だと思う。しかも、「主張し、説得する」のではなく、「心に思ったことを表現する」ためのツールとして。とはいえ、それはただの道具ではなく、高密度の感性装置である。

%e3%82%b9%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%82%a6%e3%82%99 数ヶ月前から読み続けているシェイクスピアだが、いよいよ最後の作品『リア王』まで進んだ。あらためて思うのは、女の悪役が多いということだ。シェイクスピアはよほど女性に虐められたとみえる。その怨念はしつこいくらいである。日本にも悪い女はいるだろうが、シェイクスピアの世界と比べれば可愛いもんである。そういえば、私が好きなバルザックにも悪い女はわんさか登場する。そういうものばかり読んでいると女性に幻滅してしまうだろうから、ほどほどにしないといけないと自戒する。
 とはいえ、世の中を悪くするも良くするも、大半が男の仕業だ。つくづく、思う。男っていう生き物は余計なことをしたがるもんだと。遺伝子に欠陥を抱えた生き物だから仕方ないのかもしれないが……。
(161013 第671回 写真上は会の風景。下は『ロミオとジュリエット』のロミオに扮するスティーヴ)

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