その時はネコ
また猫の話か? 日本がどうのこうのと言っているわりには猫とか犬とか、話題が矮小なんじゃないの? という声が聞こえてきそうだが、そういう時は居直って、「だって、好きなんだもーん」と答えることにしている(正確に言えば、犬よりは猫。完全にネコ派です)。
だってホラ、見てくださいよ。この美しい座り姿。猫なのにハト胸、猫なのに猫背。両手を揃えて、尻尾をきれいに畳み、あごを引いて、常に上向きの目線。たまらんなあー。
なにを隠そう、我が家の「海」は『ダーウィンが来た!』という番組の大ファンで、日曜日の7時半、その番組のテーマソングが聞こえると耳がレーダーのようにクルクル動き始める。
そして、すかさずテレビの前へ。そこが指定席なのである。そして、写真のように座ってテレビを見続ける。鳥や魚がたくさん出てくる時は、それはそれは食い入るように見つめ、時々こらえきれなくなって画面に飛びついてしまう。
「こらっ、やめろ、液晶が壊れてしまうじゃないか」と注意しても、馬耳東風ならぬ猫耳東風。
「壊したら弁償してもらうからね」と言っても、コイツが1円も持っていないのは私がよくわかっている。つまり、「処置なし」ってやつだ。
しかし、海にはいやされている。イヤ、されている、ではなく「癒されて」いる。仕事がたまってオーバーヒート寸前になった時、海と戯れるだけでリセットできる。つまり、この猫は役立っているのだ。海にも使命がある。それが天分なのである。
さて、じゅうぶん気分転換したので、これからひと仕事する。今日は曾野綾子氏と中田宏氏の対談、明日は櫻井よしこ氏への取材、明後日は茅ヶ崎の酒蔵訪問。集中して取りかからねばならない。もちろん、すべて『Japanist』のためである。
そう言えば、今朝、なぜか日テレで『fooga』が大きく写った。セルジオ越後氏の特集号「本物はアウェーでも勝つ」。残念ながら、日本代表はアウェーで勝てなかった。ワールドカップは全試合がアウェー。しかも相手は世界の強豪国ばかり。そこでベスト4を目指すというからには、まだまだハードルは高い。
今朝の読売新聞に載っていた李国秀氏(元東京ヴェルディ監督)のコメントが印象的だった。
──この試合では、局面で小競り合いが起こると、相手選手に言われるがままで、言い返す気迫も見えなかった。W杯とは、物騒な言い方だが、武器を持たない戦争であり、国の威信をかけた戦いなのに、なんとも歯がゆい。
今の政治家や外交官と同じではないか。
(090618 第103回)