最後のひとつ前
今年の元旦、首都高を運転している時、わけもなく「『Japanist』は年内で終わりにしよう」と思った。そのことを37号でアナウンスした。
早いもので、残すところあと1回。
『Japanist』39号が完成した。
巻頭対談には、株式会社今半代表取締役の髙岡慎一郎氏に登場いただき、すき焼に関わる話をうかがった。
「ジャパニストの美術散歩」では陶芸家、十二代 三輪休雪氏を紹介。三輪氏は代々続く萩焼の窯を継いでいるが、「伝統とは同じことを繰り返し続けることではない。革新の連続が伝統になりえる」との持論を胸に、今も斬新な作品を創作し続けている。従来の『Japanist』にはなかったテイストの表紙も三輪氏によるもの。78歳になる現在も、斬新で大胆でパワフルな作品を創り続けている。なにものにも媚びない、妥協しない姿勢はまさに巨匠の領域。それでいて結構お茶目である(内緒だが)。
「転換期のキーパーソン」では秋山木工の代表取締役・秋山利輝氏を紹介している。秋山氏は丁稚(でっち)制度を維持し、若い家具職人の育成に心血を注いでおり、その志はまさに一点の曇もないと言って過言ではない。人と人との関わりがますます淡白になっていく現代において、秋山氏が取り組んでいることは、きわめて価値のあること。
今回、私が担当したのは上掲・三輪休雪氏の記事の他、「葉っぱは見えるが根っこは見えない」、田口佳史氏との対談「学びのクロスロード」、大幡正志氏との対談「遊べ・学べ・働け」の4本。
ずっと「筋肉質の誌面」づくりを目指してきたが、終幕を間近にし、徐々に成果が現れてきたようだ。
残り1回、歴史に残るようなものにしたいと静かに闘志を燃やしている。
https://www.compass-point.jp/japanist/
美の生活化―美しいものを人生のパートナーに
※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。第30話は「人との間合いをはかる」。
https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo
(181026 第852回)