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紺碧の将

恒例、大晦日のお礼参り

2018.12.31

 毎年大晦日は明治神宮へお礼参りする。明治神宮まで歩いて6、7分。歩きながら一年を振り返り、二礼二拍手一礼をしながら一年の感謝を伝える。それだけのことなのに、とても充足感を覚える。

「今年はうーにゃんも連れていこうか」

「え? うーも行っていいの?」

「そりゃ、今年の出世頭だからな。早く準備しなさい」

「わーい、やったぁ」

 うーにゃんは飛び上がって喜んでいる。

 道中、20歳前後の女の子のグループとすれ違った。

「やだあ、あのネコ、うーにゃんじゃない?」

「やばい。ほんとだっ」

「写真撮らせてもらおうよ」

「やばいよ、いっしょにいるオジサン。なんか怖そうだし」

 黄色い声が聞こえてきた。オジサンとは、どうやら私のことらしい。

 

 手水をする手前に明治天皇の御製と昭憲皇太后の御歌が掲げられている。歌を詠みながら、作意に思いを馳せる。時空を越えて、国民を思うお気持ちが伝わってくる。

 本殿の前には囲いがしてあり、たんまりと賽銭を集められるよう、用意万端整えられている。ちゃっかりしたものだ。

 お礼参りが終わり、境内を歩いていると多くの人が集まってきた。

「すみません、うーにゃん先生ですよね。サインしていただけますか」

「え、どうしよう。ペン、持っていないんだけど」

「このスタンプ台に手をつけていただいていいですか。手形がほしいんです」

「私にも

「僕にも」

「俺にも」

 あっという間に人の渦ができた。

 うーにゃんはスタンプ台に手をついては白い紙に手形を押す。全部で100枚ほども押しただろうか。ようやく、人の波がひけた。

「おまえの人気はすさまじいな。これからは1枚100円くらいもらってもいいんじゃないか。御朱印だって300円なんだし、ここ明治神宮にいたっては500円もするんだから」

「御朱印とうーにゃんの手形をいっしょにするのはどうなのかな」

 娘がほざいた。

 ……という具合に、今年も無事、年を越せそうです。

 こんな人間たちを生かしてくれることに感謝します。

うーにゃんの明治神宮お礼参り 「感謝すれば、だれもが幸せ者」もご覧ください。

 

「美し人」

美の生活化―美しいものを人生のパートナーに

(181231 第868回 写真上は大晦日の明治神宮。下はカプチーノの泡を口の周りにつけたうーにゃん)

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