光る鏡の不思議
前回に続いて天岩戸神社の話題を。
神楽殿(右写真)の中央奥に「天照皇大神」と大書された掛軸があり、その前に丸い鏡が置いてある。肉眼で見れば、とくだんなにも変わったことはない。
しかし、これを撮影するとこのように鏡が光り、掛軸の文字が見えなくなる。今回誘ってくれた人からこのことを聞いたことがあるが、その時は「眉唾」かな、と思っていた。しかし、実際に体験し、驚く結果となった。
なぜ、この鏡は光るのか? フラッシュを焚いているわけではない。鏡は建物の奥にあるため直射日光が差すわけでもない。それなのに、いったいなぜ?
ネットで見ても、そのことについて言及した記述がない。不思議と思わないのか、そう思うことすらためらわせる力を持っているのか。いずれにしても、不思議である。
なぜ鏡? といえば、天照大神が洞窟に隠れてしまった後、呼び戻す計画をたてたとき、46センチほどの鏡を置いて、天宇受売命(あまのうずめのみこと)が足を踏み鳴らし、胸をさらけ出し、陰部まで露わにして踊ったというのは前回書いたとおり。そのことから、その銅鏡が八咫鏡(やたのかがみ)と言われ、天皇家の三種の神器のひとつとされるようになった。現物は伊勢神宮に保管されているという。
考えてみれば、理屈に合わないからといって不思議に思うのは現代人の悪いクセかもしれない。人間がわかっていることなど、微々たるものなのだ。そういう認識にたてば、天岩戸神社の光る鏡について、その原理がわからなくてもいいのではないか。そう思ってスッキリした。
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(190315 第885回)