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紺碧の将

鉢植えの桜、咲く

2010.03.28

 先週のある日、会社に大きな段ボール箱が届けられた。ある読者の方からの贈り物で、箱を開けると鉢植えの桜が入っていた。

 「高久さんの誕生日の頃に花が咲きますように」とのメッセージが添えられていた。

 その時の心のときめきをどのように表現したらいいのだろう。まさに、心の中で、「!!!!!!」が連続だったのである。

 

 鉢植えの桜かぁ……。

 これは意外に盲点だった。大きな桜を下から見上げて愛でるのもいいが、鉢植えなら四六時中、身近なところで愛でられる。花が咲いて、散って……という過程もつぶさに見ることができる。

 ありがたやありがたや。早速、書斎の窓辺に置いた。

 

 室内の気温が高いためか、2日ほどすると、固くとじていた蕾がほころんできて、今では8輪が開いている。

 八重桜である。大木の八重桜はあまり好みではないが、鉢植えはむしろ八重の方が存在感があっていい。ほんのりとピンクがかって、なんて美しいのだろうとしばし見とれてしまう。バリの淡々とした音楽をBGMにして、この桜を眺めているだけで、幸せな気持ちになれる。気がつくと、時間がかなり経過している。トリップしちゃっているのである。アブナイ、アブナイ。

 いつも思うのだが、植物の姿・形はじつに精妙で、どんな造形作家も太刀打ちできない。自然界の造形力を見せつけられると、いったい誰がこのようなものを仕組んだのだろうと思わずにはいられないのである。

 それにしても、『Japanist』を購入していただき、その上、感動したと言ってこんな素敵な贈り物を送ってくれるなんて、なんて私は果報者かと痛感する。

 ありがとうございます。この欄を借りてお礼を申し上げます。

(100328 第158)

 

 

 

 

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