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紺碧の将

食文化の本質

2010.07.06

 『ザ・コーヴ』という映画が物議をかもしている。和歌山で行われているイルカ漁を糾弾するドキュメンタリー映画だが、これについて私の考えを述べたい。

 私はクジラもイルカも食べない(そもそもイルカ漁が行われていたことさえ知らなかった)が、食文化に文句をつけ始めたらキリがないということはわかっている。クジラはダメで、アシカやカンガルーやダチョウがいいという決まりはない。フランスでは「ジビエ」と称して野の動物たちを美味しく料理してしまうが、例えばウサギ好きにとってはたまらなく哀しいだろう。中国では生きたサルを熱々の鉄板に尻から載せ、血が頭にのぼったところで頭蓋骨を割り、脳味噌を食べるという。四つ足は机以外、飛んでいるものは飛行機以外食べてしまうという「なんでもあり」の民族だ。それでもわれわれが文句を言う筋合いはない。以前、タヒチに行ったときは、あちこちに野良犬がたくさんいて、どうしてあんなに野良犬がいるのかと訊くと、「非常食だ」という答えが返ってきた。

 そういうもんじゃないか、食文化というものは。

(100706 第178 写真は久能山東照宮にある徳川家康の手形。それによると、家康の身長は155センチ。体重は60キロ。38歳の時の手形だそう。)

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