多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 集団で回るカモの不思議

ADVERTISING

私たちについて
紺碧の将

集団で回るカモの不思議

2020.04.08

 前回、山澤清さんの言葉を紹介したが、こんなことも思い出した。取材の前、市ヶ谷の外堀通りをいっしょに歩いているときだった。

 私の目に、外堀でよく見る光景が映った。カモが集団で一点を中心にグルグル回っているのだ。

「あれは遊んでいるんですかね?」

 ふと、そう言った私に対して、山澤さんはすかさずこう言った。

「ちがっ! 遊ぶのは人間の子供だげだ。ああやって餌を集めているんだんべ。人間以外の動物は一日中食べ物探しをしてんだよ」

 みごとな山形弁で返された。「でも、うちのうーにゃんは子供の頃、ピンポン玉を転がして遊んでいたなあ」と頭をかすめたが、それは言わないでおいた。やはり、うーにゃんは人間だったのだ。

 調べると、越冬のため日本に飛来した渡り鳥のハシビロガモだという。集団で回ることによって渦を作り、そこにエサとなるプランクトンを集めているらしい。誰に教えられたわけでもないのに、みんなで協調して食べ物を獲得している。なんて賢明なのだ。

 山形弁といえば、初めて山澤さんとお会いしたときのことだった。しきりに「これからはフネンが怖い」と言う。

 フネン? 

 会話を交わしながら、不燃? プラスチックごみ? と思った。その後、男の精子の数が減っているとか、男が用なしになってしまうと言うのを聞いて、「不妊」だと理解した。

 ついでにその部分を少し紹介しよう。いま、なにげなく食べている野菜が、とんでもないことになっている。

「オレが作っているのは自分で種を残せるやつ。それが伝承野菜で、在来の種を継いで伝承してる野菜だ。ところが、みんなが食ってんのはほとんど自分の種は残さねえ野菜。遺伝子組み換えした野菜なの。植物の遺伝子を異型に作り変えて、それを増やして食べてんだよ。そうすっとよ、生殖能力がなくなんの。だから、そのうち男はいらなくなるって。もともと、ミトコンドリアってのはメスからメスしかつながんないからね。精子にあるミトコンドリアは途中で阻害されんのよ。それを人工的に掛け合わせて作ってんだ。40年間、そんな野菜ばっかり食べ続けてっから、そのうちきっと、みんなオカマ野郎ばっかりになるさ。オレもオカマみてえなもんだけどもよ(笑)」

 山澤さんはすべてお見通しなのである。

 おそらく、今回の中国ウイルスのこともお見通しだったにちがいない。

 

本サイトの髙久の連載記事

◆ネコが若い女性に禅を指南 「うーにゃん先生の心のマッサージ」

◆「死ぬまでに読むべき300冊の本」

◆「偉大な日本人列伝」

 

髙久の近作

●『葉っぱは見えるが根っこは見えない』

●『FINDING VENUS ガラスで表現する命の根源と女性性』

 

お薦めの記事

●「美し人」最新記事 画家・岩井綾女さん

●「美しい日本のことば」

「おぼおぼ」という擬態語から派生したと言われる「朧(おぼろ)」。ぼんやりと、はっきりしない様子を表しています。ぼうっと霞みがかった月が浮かぶ「朧月夜(おぼろづくよ)」。続きは……

https://www.umashi-bito.or.jp/column/

(200408 第983回)

【記事一覧に戻る】

ADVERTISING

メンターとしての中国古典(電子書籍)

Recommend Contents

このページのトップへ