あみだくじのような建物
2020.10.08
男新木場の貯木場の隣に木材会館という建物がある。ご覧のとおり、あみだくじ模様のデザイン。よく見れば、これ、ヒノキの板である。
躯体は鉄筋コンクリート。その前面にヒノキの化粧を施している。直線なのに、どことなく優しい。いかつくない。建築材となったあとも木は生きている。
ネットで調べると、3寸5分材(約10.5センチ)角の無垢のヒノキを使っているという。それをピッタリ合せ、コンクリート壁面を覆っているのだ。こんなところにも日本人の職人技と矜持が現れている。
やはり、いいモノは人を呼ぶのだろう。館内の檜舞台やホールは、しばしば映画やドラマ、雑誌の撮影などで使われたという。
誰の発案でこの建物ができたのかわからないが、かなり粋な人である。著名なモノではなくても、人の心を揺さぶるものがある。そういうものに出会うのも〝邂逅〟といえるだろう。
(2001008 第1028回)
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