人類は言葉を持って以来、無数の言葉を遺してきました。
あるものは後世に生きる人たちへの教訓として、あるものは己が生きたことを記す刻印として。
このコラムでは、世界のあちこちに遺された〝イケてる言葉〟を発掘してご紹介します。【テキスト/髙久 多樂】
Topics
ことわざ
答えないこともひとつの答えであるということわざが西洋にもあったことに驚かされる。おそらくヨーロッパに限ってのことだと思うが、沈黙・黙秘がひとつの手段として認められていたということだ。この価値観は、ディ…
ジョン・レノン
――年の数ではなく、親友の数で自分の歳を数えよう。いい言葉だなあ。若い頃は友だちが多い。同じ年、地域に生まれたというだけで同じクラスに入り、そこそこ友だちになれる。しかし、歳を重ねるごとに親友と言える…
バーナード・ショー
本コラムに何度も登場したバーナード・ショーは、文学者、脚本家、劇作家、評論家、政治家、教育家、ジャーナリストなど、いくつもの顔を持つ。曰く、年をとったから遊ばなくなるのではない。遊ばなくなるから年をと…
ことわざ
その人がどういう人物なのか、その人の仲間を見ればわかる。どの世界においても何ごとかを成し遂げた人は、それなりの努力をしている。もちろん天賦の才もあるだろうが、同じような志を持った人たちと交わって切磋琢…
スコット・フィツジェラルドの『華麗なるギャツビー』より。ニック・キャラウェイの言葉
乙川優三郎の初の現代小説『脊梁山脈』にこの言葉が引用されている。終戦間もない頃、廃墟となった東京で、あやしいカストリ・バーを経営して逞しく生きる女性が、突然豊かになって無聊をかこつ主人公に言う。「あな…
映画『ショーシャンクの空に』より
この言葉、busyをどう訳すかだが、「とことん生きろ、とことん死ね」「生ききるか、死にきるか」と解釈するのが妥当だろう。映画では、自分の無罪を証明してくれる唯一の希望がなくなった後のセリフである。では…
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
アメリカはかつて〝夢の国〟とも言われていたが、その内実、差別の塊のような国だった。もともとネイティブ・インディアンしか住んでいなかったところに白人がイギリスから渡って国家を建設し、その後、世界中からさ…
ロナルド・レーガン
前回に続き、元アメリカ大統領の言葉を。ただし、今回の言葉は人々を鼓舞するものではない。人間として生まれ、生をまっとうした後の澄み切った心と諦観が入り混じった、しんみりとする言葉である。意味は「私はいま…
ジョン・F・ケネディ
いまほどこの言葉が心に突き刺さる時はない。ロシアによるウクライナ侵略、ガザ紛争、そして遠からず起こり得る中国の台湾侵攻のほか、北朝鮮の暴発も懸念される。人類史が始まって以来、この惑星が丸ごと平和だった…
ウィンストン・チャーチル
掲出の言葉は、2度目の登場。ある意味、掟破りをしているのだが、そうまでする理由がある。折につけ、この言葉を噛み締めたいのだ。目標に向かって何かをやり続けているとき、必ず大きな壁に直面する。そのとき、ど…