Chance favors the prepared mind.
チャンスはよく準備された心を好む。転じて、チャンスは備えある者に訪れる。フランスの細菌学者ルイ・パスツールの言葉である。
同じような意味の格言はたくさんあるが、パスツールの言葉は平易で力強い。なるほどそうなのだと思わせる説得力に満ちている。
では、いったいなにを「準備」すればいいのだろう。
仕事の能力を上げることと人間性を磨くこと、その両輪をバランス良く向上させることではないか。
大谷翔平選手が中学時代に書いた目標達成シートはよく知られているが、(当面の)最大目標「ドラ1 8球団」(ドラフト会議で8球団から1位指名される)を達成するために「体づくり」「コントロール」「キレ」「メンタル「スピード160km/h」「変化球」「人間性」「運」という8項目を掲げ、それぞれ具体的な課題を書いていた。現在の大谷選手を見れば、この目標の通りになっていることがわかる。つまり、ある達成には「こうなりたい」という目標が必要であり、そのためにコツコツと努力を積み重ねる以外にないということ。世の中には、1%の努力で大きな成果を上げる、というような主旨の本が出回っているが、仮に成功したとしても永続性はないだろう。
私もつねづね言っている。「すぐに得たものは、すぐに失われる」と。
(第64回 210808)
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