The only way to have a friend is to be one.
ラルフ・エマーソン
アメリカの哲学者エマーソンのこの言葉は、主体と客体の関係における本質を突いている。
「友人を得るのただひとつの方法は、自分がその人の友人になることである」
自分からすすんで人間関係を築こうと思わなかったら、友人を得ることはできない。それはたしかにそうなのだが、やみくもに誰とでも友人になればいいかといえば、そうではないと思う。自分と合わない人と無理に友人になったがために、やがてギクシャクとした関係になり、のっぴきならないトラブルに発展するということがままある。要は、相手を見極めたうえで、自ら握手を求めるということではないか。
これは対人に限った話ではない。他の生き物相手でもそうであろうし、興味を持った事柄についてもあてはまる。
真の友人は天から降ってこない。真の職業も趣味も天から降ってこない。
これぞ! と見極めたものに自ら近づく。「これぞ」はごく少なくていい。それを見極められるかどうか、それが肝要だ。
(第84回 211212)
髙久の電子書籍
本サイトの髙久の連載記事