Eat to live, not live to eat.
ソクラテス
――生きるために食べよ、食べるために生きるな。
わかっちゃいるけど、これがなかなかできない。おそらく人類の大半は、食べるために生きている。「生活のため」と言って、どれほど本心を隠していることが多いことか。
ロシア国営の「第1チャンネル」でニュース番組の放送中に「戦争反対。戦争止めろ。プロパガンダを信じないで。ここの人たちは皆さんにうそをついている」と書かれたプラカードを掲げ、拘束されたテレビ局の編集者、マリナ・オフシャニコワさんはその後、テレビ局を辞めたが、彼女はまさしく「食べるために生きる」ことと決別した一人であろう。生活のためとはいえ、これ以上、ウソを垂れ流すことに耐えられなかったのだ。
翻って、自分ならどういう行動に出るだろうか。自分のこととして考えると、ひとつひとつの出来事は重い意味をもつ。
(第95回 220320)
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