You can destroy your now by worrying about tomorrow.
ジャニス・ジョプリン
明日の心配をしていると、今を台無しにするよ。
要は、「心配」が適度な危機意識かどうか、ということだろう。心配し過ぎはもちろん、いけない。かといって、危機意識がまったくないというのも破滅を招く。
戦国時代のクロニクルをひもといていると、早々に滅びたのは危機感のない国だった。外敵への備えを怠り、都合のいいように思い込んでいた大名に統治された国は周辺の敵に蹂躙された。今で言えば、「平和憲法で平和を守ろう」というようなスローガンに固執し、思考停止に陥っている人たちか。
ところでジャニスの言葉。よくよく考えてみれば、心配性の人は、どんなに周りから「心配し過ぎ」と言われても心配してしまう。そうじゃない人は、周りから「もっと危機感をもったら?」と言われてもそうはならない。
と書くと、身も蓋もないが、人間は生まれついての本性から逃れられないというのも事実。もちろん、厳しい修行によって、それを変えることはできるだろうが、それはあくまでも例外というもの。
結局、ジャニスは野放図にやりたいことをやり、さっさと死んでしまった。自分の本性に忠実に動いたということか。
(第105回 220724)
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