Soon learnt, soon forgotten.
ことわざ
簡単に学んだことは、すぐに忘れる。
多くの人が、学生時代、テストの前の一夜漬けでそのような体験をしているだろう。そのときに覚えたことの、いったいどれほどが残っているか。
今ほどこの言葉の意味を噛みしめなければいけない時代はない。「すぐに学べる」ことがいい結果につながることだと思い(思わされ)、その結果、なにも学んでいないことのなんと多いことか。
手に職をつけるとはよく言ったもので、体が覚えるまでには繰り返し、繰り返し時間をかけて習得する以外にない。勉強も同じ。ただし、そうやって体得したものは生涯その人のもとから離れない。
以前取材した宮大工棟梁の小川三夫氏は「不器用に勝る才能なし」と言っていた。
不肖筆者は、どちらかといえば器用な方だと思っている。しかし、それは長所にもなるが、短所にもなる。短所にしないためには、繰り返し、繰り返し、愚直なほどに繰り返し身につける以外にない。そうやって得たものは、血肉となって生涯の友となる。
そのような〝友〟が多い人生こそが幸福につながると確信している。
(第113回 230305)
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