He that is good for making excuses is seldom good for anything else.
ベンジャミン・フランクリン
ズバリ、「言い訳の上手い男は、ほかに得意なものがないことが多い」。
この言葉にはHe(男)とあるが、女でも同じであろう。とかく自分を弁護する「自己弁護士」が多くなったと感じる。自分もその一員であるかもしれず、そうならないよう戒めている。
言い訳をするという行為の前段階には、だれかに悪いところを指摘された、あるいは自分が悪いと思っているが正当化したいという状況があるはずだが、それを直視し改める機会とすれば、人はどんどん成長していくことができる。そういう意味でも、言い訳は成長するチャンスを摘む行為だともいえる。
松下幸之助のエピソードを思い出す。晩年、彼は京都大徳寺の立花大亀老師の茶会に正客として招かれた。そのとき、立花老師は居並ぶ人たちの前で幸之助氏を叱責した。あなたが便利な物を造ったせいで日本人の心が乱れてしまった。どうしてくれるのだ! と。
言いがかりも甚だしい。しかし、幸之助氏は黙ってそれを聞くばかりだったという。そして、数年後、私財70億円を擲って松下政経塾を創設する。
もし松下幸之助が言い訳をする人間だったら、松下政経塾はできていない。
(第122回 231202)
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