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紺碧の将

I have a dream.

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

 アメリカはかつて〝夢の国〟とも言われていたが、その内実、差別の塊のような国だった。もともとネイティブ・インディアンしか住んでいなかったところに白人がイギリスから渡って国家を建設し、その後、世界中からさまざまな人種が集まった。激しい人種差別は生まれるべくして生まれたともいえる。

 今でこそ黒人の人権は広く認められるようになったが、ある時期まで黒人の人権は無きに等しかった。かの素晴らしき声で多くの人を魅了したルイ・アームストロングでさえ、ステージを降りると家畜にも等しい扱いを受けた。

 そんなアメリカでの人種差別問題の改善に大きく貢献した人物といえば「キング牧師」の名で親しまれるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアをおいてほかにいない。

 繰り返し「I have a dream」から始まる有名なスピーチが行われたのは1963年8月28日。彼の強い決意がこのスピーチに凝縮されている。

 その一部を紹介しよう。

 

I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: “We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal.”

(私には夢がある。それは、いつの日かこの国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは真実である」という信条を実現させるという夢である)

 

I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.

(私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である)

 

I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.

(私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子供たちが、肌の色によってではなく人格によって評価される国に住むという夢である)

 

 人間は自分が他よりも優位であることを示したいがため、差別をする。その人が他よりも優れているという根拠はなにもないにもかかわらず。

 問題は、だれの心の裡にも人を差別するという芽が隠れているということ。それが表に出ないよう、努めて自分を律することが求められる。

(第131回 240831)

 

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