A friend to all is a friend to none.
アリストテレス
「多くの友人をもつ者は、ひとりの友人ももたない」
アリストテレスといえば紀元前385年生まれ。今から2400年ほど前に生まれた人が、どんな確たる理由があってこう述べたのか不思議である。なぜなら、現代人に潜む不安感の根っこを照射していると思えるからだ。
とはいえ、疑問も残る。たしかにフェイスブックなどSNS上での「友達」の多さを自慢する人は、その数の異常な多さゆえ、親友と呼べる人もいないであろうことは想像できる。しかし、多くの(と言っても10人前後)親友をもつと自認している筆者は、ひとりの友人ももたないとは思わない。
ふと英文を見て、合点がいった。「all」とある。「すべての人にいい顔をしていると、たったひとりの理解者も得られない」と考えれば、腑に落ちるではないか。
つねづね、筆者はこう言っている。
「人を含め、あらゆるもの選別し、自らの住所を定めることが自分らしく生きる第一歩」だと。
(第13回 200712)
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