Some people feel the rain. Others just get wet.
ボブ・マーリィ
――雨を感じられる人もいるし、ただ濡れているだけの人もいる。
ものごとをどう見るかで、日々の心持ちが変わってくる。
要は、自分ではどうにもならない物事に対して、どういう側面を見るか、ではないだろうか。
十数年前、ある新聞に子供のつぶやきが載っていた。
――そうか、傘って雨の音を聞く装置だったんだ。
傘といえば、雨をよけるための道具だとわれわれ大人は思い込んでいるが、子供の感性には別の道具(装置)と感じられたのだ。
たしかに傘をさしていると雨音が聞こえる。ちょっとした雨脚の強弱で音が変わる。それは、その子供にとって驚きの装置以外のなにものでもなかったのだろう。
ボブ・マーリィはそういうことを言いたかったのだ。ものごとを多面的に見なさいと。それが心の自由自在というもの。
子供を手本にし、子供の感性を取り戻そう。
(第24回 201013)
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