He who has never hoped can never despair.
バーナード・ショー
『やもめの家』などの作品で知られるアイルランドの劇作家、バーナード・ショーはノーベル文学賞に選考されたが、受賞を固辞した。しかし、賞金を寄付するという条件で受賞した。すべからく一筋縄ではいかない、気骨のある人物だった。
そんな彼の言葉。
「希望を抱かない者は、失望することもない」
若い時分、さまざまな夢を抱くも、失望するのが怖くてあきらめてしまう人が多い。ある意味、希望を抱かない=あきらめることは、人間の自衛手段でもあるのだろう。
しかし、上り坂も下り坂もない人生は楽しいのだろうか。ずっと先を見通せる平坦な道ばかりを歩いて、ワクワクするのだろうか。
94年の生涯を閉じるまで希望を抱き続けたバーナード・ショーは、失望の多い人生だったにちがいない。それゆえ彼は成功者として後世に名を刻んでいるともいえる。
(第26回 201101)
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