Happiness depends upon ourselves.
アリストテレス
人間というものは古来、変わっていないようだ。紀元前4世紀に生きたアリストテレスほどの哲人にさえ、こんな当たり前のことを言わしめているのだから。
「幸せかそうでないかは、自分次第」
かつて、インド人の知人が言っていた。人間の心には7つの部屋がある。そのうち6つの部屋が満たされても、人は幸せだと感じない。なぜなら、残るひとつの部屋が充足されていないことに意識を奪われるからだ、と。
本来、6つの部屋が満たされていることに着目すれば、じゅうぶんに幸せだと感じるはずである。しかし、欲深き生き物である人間はそう思えない。
『老子』にも「足るを知る者は富む」とあるが、東西の賢者があえてそう説かなければならないところに人間の哀しさがある。
それでもあえて言おう。幸せかそうでないかは、自分次第だと。
(第30回 201204)
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