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No.22

和食で味わう
栃木食さい(後編)

Contents

 「栃木食さい」企画にあたって、響友会の6人とさまざまに情報交換し、取り上げる食材を選んだ。ディスカッションを重ね、まず読者の方々に伝えたいことは、栃木の食と食文化について、6人の皆さんがさまざまな立場からそれぞれ危機感を持っているということ。何十年に渡り栃木の食材を扱ってきた者として、料理人として、教える者として、そして父親として。百年の計として「栃木の食文化」を作り上げていこう。というのが彼らの理念だが、食文化を考えるならばその土台となる食材について、検証する必要がある。 
 すべての取材、撮影が終了した今、なぜか胸の中では説明のつかない切なさがつきまとっている。わたしたちの食生活を取りまく環境が、あまりにも貧しいものへと変化しつつあることに気づいたからだ。
 飽食や消費がテーマの時代には、料理は目先に美しく、新しく、話題性があればよかった。冠のついたブランド食材が巷に溢れていた。食材をブランドとして求める時代は去り、これからは、優れた本質を内側に秘めたものだけを引き継いでいかなくてはならない。
 おいしい、おいしくないというあいまいな感覚ではなく、食材に何を求めるのか一人ひとり基準を持つ必要がある。生産者も販売者も料理人も、そして消費者も、一度は経済活動という枠をはずれて考えてみよう。百年後の未来、わたしたちの子孫を取りまく食材と食文化がどうなっているのか。

●企画・構成・取材・文・制作/五十嵐 幸子・都竹 富美枝
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.22 【フーガ 2003年 11月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2003年10月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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