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No.23

独木に想いを託して
露木惠子、その清冽な
日本画の世界

Contents

 「独木(どくぼく)」とは露木惠子氏が名づけた造語である。読んで字の通り、一本の木という意味だが、露木氏が独木を描き始めて、約三十五年になる。はじめは大分での十三年間。その後は宇都宮大学の教官として赴任してきてからの二十数年間である。ここ二十数年間のモチーフは、もっぱら宇都宮大学構内の木々ばかりである。なんと大学構内には二百八十種類以上もの木が植生している。まるで露木氏のために用意された仕事場と言っていいかもしれない。
 日本画は、装飾性、写実性、そして抽象性と幅広い表現が可能だが、露木氏が描く日本画は、どこか油彩画のようであり、一本の木を写生していながらも抽象的でさえある。一本の木を一年間、いや十年以上描きつづけることもある。それぞれの木に輪廻を見、その個性に人間の姿を重ね合わせるという。作品はすべて大作ばかりだが、手元にあるものはごくわずか。残りは全部、全国の病院や福祉施設に寄贈されている。言い換えれば、宇都宮大学に植生する木々は、姿形を変えて、全国に散らばっているのである。

●企画・構成・取材・文・制作/髙久 多美男
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.23 【フーガ 2003年 12月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2003年11月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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