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No.45

男の華道
華道家・川上裕之が拓く
いけばなと造形

Contents

 川上裕之さんは、宇都宮在住の若手華道家として今注目の人である。
 いけばな造形で数々の受賞歴を餅、小原流の研究院講師として全国の小原流の会員たちを教えながら自らの教室も主宰する。
 造形作品を創作、発表し、その延長として空間プロデュースも行うなど、活動はきわめて多彩だ。この現代にあって「花」を職業に選ぶ男性とは、どんな人生観や生活背景を持っているのだろうか。
 大多数の芸術家たちがそうであるように、川上さんの究極の目的は職業としての成立よりも、「花」という限られた命をとおして、自らの芸術世界を堪能することのように見受けられる。一歩引いて考えると、東京や大阪などの大都市、京都のような日本の伝承文化発生の地をほかにして、いったい宇都宮のような地方都市で、華道家という職業が成立するのだろうか。
「お花の先生」という職業は歴史のあるものだし、明治維新後、一時的に衰退した華道が大正時代に入って再び息を吹き返してきたのも、女性の新しい職業として注目されたという社会的背景を抜きには語れないのだそうだ。
 見た目に違わず、折り目正しい凛とした雰囲気をたたえる川上さんだが、内心には、華道で自己実現を図るための静かな闘志が燃えている。川上さんの一連の活動は、新しい職業、新しい華道の可能性を指し示しているものであるようだ。

● fooga No.45 【フーガ 2005年 10月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り
●定価/500円(税込)
●月刊
●2005年9月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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