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No.58

刀工
加藤慎平・日本刀の美学。

Contents

 「ぼちぼち沸いてきましたね。いきますよ」

 

 火床の中で燃え上がる薄紫の炎。そこにかすかに見え隠れする赤い炎が、橙色から黄色へと変化した刹那、刀工はテコ台に積み上げて熱していた鋼が約一三〇〇℃に達したと判断。すぐさま大槌を用いて懸命に叩いていく。こうすることによって鋼の中の不純物がなくなるのだ。次に縦横に切れ目を入れ、重ねた後で再び沸かす。そしてまた叩く。これを「折り返し鍛錬」という。鍛錬では折り返す時に空気や不純物が入らないように気を配る。後々、傷の原因になるからだ。刀工はこの工程を幾度となく繰り返す。

 

 思い描くのは相州五郎入道正宗が生み出した至高の刀。

 その完成を夢見てひたすら繰り返す。刀工の名は「加藤慎平」。

 現在、最も注目される名工の一人である。

●企画・構成・取材・文・制作/西脇 誠治
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.58 【フーガ 2006年 11月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2006年10月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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